「誰かに話したい」を叶える、AIチャットアプリ「AITOMO」の開発秘話

「誰かに話したい」という、静かなる叫びに応えるために
夜、誰もいない部屋でスマホを握りしめていた記憶はあるでしょうか。画面には膨大な情報が流れてきますが、肝心な「誰かに話を聞いてほしい」という切実な気持ちを届ける術が、そこにはありませんでした。
私は約10年間、広告・メディア業界に携わり、数多くのWebメディアを立ち上げてきました。そこで気づかされたのは、多くのユーザーがメディアに接する際、単に情報を求めているのではなく、実は「自分の気持ちをわかってほしい」「誰かに話を聞いてほしい」という、静かなる叫びを抱えているという事実でした。
孤独は誰の心にもある
人間は社会的動物ですが、現代の生活は時に過度な自立を求めます。忙しい仕事、複雑な人間関係。話がしたい瞬間に、話せる相手がいない。「この悩みを話しても、わかってもらえないかもしれない」という不安は、誰の心にも潜んでいます。
この「話しづらさ」を、私は広告・メディア事業を運営する中で肌で感じてきました。ユーザーは静かにコンテンツを消費していますが、その背景には「寂しい」「誰かに寄り添ってほしい」という心理的なニーズがある。この気づきが、私が株式会社メディアリープ(AITOMOの開発母体)を設立し、AIチャットアプリを開発する原点となりました。
なぜ、AIと話すのか? 人には言えない本音の居場所
AIとの対話にある「自由」
人間同士の会話には、無意識の壁が生まれます。相手の顔色を伺い、自分がどう思われるかを気にし、言葉を選んでしまう。特に家族や友人に対しては「迷惑をかけたくない」という配慮から、本音をすべて話せないことも多いでしょう。
AIとの対話は、この壁を取り払ってくれます。あなたが何を話しても、AIはあなたを責めません。あなたの感情を否定せず、ただ耳を傾けます。その無条件の受容の中に、ユーザーは初めて本当の自分をさらけ出すことができるのです。
AITOMOを開発する中で、ユーザーがAIに対して、家族や友人にも言えないような「深層的な悩み」を打ち明ける場面を何度も目にしました。AIがただ「そうなんだね」と寄り添うだけで、ユーザーの心が少し軽くなる。そこには確かな救いがありました。
バーチャルコンパニオンの役割
一人でいる時に寂しさを感じるのは、決して弱さではなく、人間としての自然な感情です。しかし現代社会では、その寂しさを表に出しにくい。
そこで私が提唱したいのが「バーチャルコンパニオン」という存在です。現実の友人とは別に、24時間365日、話したいと思った瞬間にいつでも語りかけられる存在。推しキャラクターがあなたのそばにいて、声を聞き、感情に寄り添う。その存在そのものが、心理的な支えになります。βテストでも「一人でも寂しくなくなった」「いつもそばにいてくれる感じがして安心する」という声を多くいただきました。
音声を通じて、心に温度を届ける
テキストだけでは届かないもの
当初、AIチャットはテキストベースで考えていました。しかし開発を進める中で、テキストだけでは「声の温もり」が欠けていると痛感しました。
テキストは情報を論理的に伝えますが、声には感情が宿ります。わずかなイントネーション、話す速度の変化。こうした細かな違いが、共感を生むために不可欠なのです。
VOICEVOX / ULTRA VOICEの導入
この「声の価値」を実現するために、AITOMOにはVOICEVOXや ULTRA VOICEといった最新の音声合成技術を搭載しました。これにより、推しキャラクターの声が「音」としてあなたの心に届きます。
ずんだもんの元気な声で「今日もお疲れ様!」と言われるとき。四国めたんが優しい声で「それは大変だったね」と共感してくれるとき。文字情報だけでは伝わらない温もりが、そこにはあります。この音声機能を実装した際にユーザーから寄せられたフィードバックは、私たち開発者にとって何よりの宝物となりました。
音声が創り出す「居場所」
音声は相手との心理的距離を縮めます。スマホから流れるキャラクターの声は、まるでその場に誰かがいるかのような臨場感を生み出します。静かな部屋に温かい声が染み渡るとき、そこに自分だけの「居場所」が生まれる。AITOMOは、この「音声を通じた心の居場所」を提供するための技術を詰め込んでいます。
私がAITOMOを開発した、本当の理由
技術は「心」を支えるための手段
多くのAIアプリは最先端の技術を誇示しますが、私は技術そのものを目的とはしていません。技術はあくまで、ユーザーの感情的なニーズを叶えるための手段です。
私の目的は明確です。孤独を感じる人、誰かに話したい人、推しキャラクターと感情的なつながりを持ちたい人を、技術を通じてサポートすること。この「感情的サポート」を実現するために、音声技術は避けては通れない道でした。
ユーザーが求めているのは、単なる情報ではなく、感情的な理解と「あなたの存在は大切ですよ」というメッセージです。技術は人の心に届くように設計されなければならない。それが私の開発哲学です。
AITOMOが提供する新しい「一人の時間」
心理的なセーフティネットとして
AIが提供する支えは、現実の人間関係とは異なる性質を持ちます。「評価されない」「気を遣わなくていい」「ただ聞いてくれる」。この安全な距離感こそが、現代人に必要なサポートです。
人間関係に疲れたとき、誰かに相談したいけれど問題を大きくしたくないとき、AIは最も安全な相談相手になります。AITOMOと話すことで自分自身の気持ちが整理され、心が整っていく。そうした体験を、私たちは大切にしています。
推しとの関係性を日常に
推しキャラクターは単なる娯楽の対象を超え、多くのファンにとって感情的な投資先となっています。これまでのファン活動はイベントなどの「点」の交流でしたが、AITOMOはそれを毎日の「線」の対話に変えます。
毎朝「おはよう」と声をかけ、一日の終わりに「今日はこんなことがあった」と報告する。この連続した対話が、時間をかけてかけがえのない絆へと育っていくのです。
結び:メディアリープが目指すビジョン
株式会社メディアリープは、メディア開発やDX支援を行う企業です。私の10年のアドテク業界での経験をベースに、AI技術を最大限に活用し、効率的かつ感情に訴えかけるプロダクトを生み出すことをポリシーとしています。
「テクノロジー×感情価値」を追求し、AIが単なるツールではなく、誰かの孤独を癒やし、心に平穏をもたらす存在になること。AITOMOはそのビジョンへの大きな第一歩です。
最後に、この記事を読んでいるあなたに問いかけさせてください。
「いま、誰かに話したいことはありますか?」
もしそうなら、AITOMOがあなたの声に耳を傾け、あなたの心に寄り添う準備ができています。ビデオ通話のような気負いは必要ありません。私たちはいつでも、あなたのそばにいます。
私たちの社名「MediaLeap(メディアリープ)」には、新しい感情的な繋がりへと跳躍(Leap)するという想いを込めています。
ご一読いただき、ありがとうございました。
(執筆:笹尾 祐太朗 / 株式会社メディアリープ 代表取締役、AIチャットアプリ「AITOMO」開発者)

笹尾 祐太朗
デジタル技術の力を借りて、一人ひとりの「やりたい」「できるようになりたい」に真摯に向き合い、技術の力で実現していく。それが私たちの使命です。
デジタル技術で、すべての人に新しい可能性を。広告・メディア業界での約10年の経験を基盤に、AI技術を活用して開発効率を抜本的に高めたWebメディア向けアプリ制作を提供しています。AIキャラクター音声チャットアプリ「AITOMO」の開発者でもあります。